PICKUP CASE STUDY経験豊富なアグリメディアの伴走支援を得て
農ある村おこし

官公庁・自治体 群馬県高山村 2024.07.11

クライアント担当者

群馬県高山村・農林課長 平形 英俊 様
(所属・役職はインタビュー時点のものを掲載)

依頼を受けた背景

高山村は人口3300人、総面積の8割近くが森林に覆われた群馬県北部の村です。豊かな自然が残る半面、農業面では高齢化や担い手不足といった課題を抱えています。2021年に群馬県の紹介でアグリメディアと出会い、担当者と議論を重ねる中で見えてきたのが、就農支援、村の農業の高付加価値化、関係人口の増加といった施策の必要性でした。

 

ずっとゼロだった新規就農者が3人誕生

私たちの村は牧歌的な風景が都会の人々から評価されていましたが、これまでは職員の手が回らず、移住や就農希望者からの相談に積極的な対応ができていませんでした。就農支援では研修先の情報を提供するだけにとどまり、どのような支援を行えば就農した人が次のステップに進めるかを十分に理解していませんでした。

群馬県出身で農業者との接点が豊富なアグリメディアの担当者が週数回ほど村に通うようになってから様々な変化が生まれました。

新規就農を呼びかけるホームページ「ぐんま高山就農支援ナビ」の作成に続き、農業求人サイト「あぐりナビ」での就農者の募集、農業体験の企画や宣伝と、矢継ぎ早に施策を進めてくれました。これまで手が回っていなかった就農希望者へのフォローが手厚くなったのも、目に見える変化でした。アグリメディアの担当者が希望者と研修先の農家をしっかりと繋いでくれる点が大きかったです。

令和4年度からの2年間で農業に特化した地域おこし協力隊が5名採用でき、うち3名が就農予定となっています。これまでの3年間の新規就農者はゼロだったので、ずいぶん様変わりです。農家さんからも、直接販売の問合せや農業研修の問合せが増えたと聞いてます。マルシェや農業体験を通じて農家さんのファンが増えたと思います。

もう1つ嬉しかったのが観光客の増加です。貸農園「シェア畑」を運営するアグリメディアは首都圏にたくさんの農体験希望者を抱えており、そうした方々に高山村の宣伝をしてもらった結果、観光入込客数が令和5年度は14万6000人と前年度から12%増えました。とりわけ家族層やリピーターが増えた印象があります。

 

役場の潤滑油的存在

村役場は縦割りな面があります。「地域おこし協力隊の募集」「移住」は地域振興課の担当で、「就農」は農林課なので、これまでは部署間で連携がとれず、実際の就農には結びつかなかったことがありました。アグリメディアが加わったことで、両部署間のコミュニケーションが円滑になり、情報の連携がしやすくなりました。

例えば、役場側が移住希望の相談と思って対応したところ、話を聞くうちに実は農業にも関心があるというケースがありました。こういう時、アグリメディアは頼もしい。就農支援を手掛けてきているので、ヒヤリングが的を射ているんですね。「家庭菜園の農業でいいのか」「仕事としてやるのか」「仕事の場合は兼業でいいのか」「 専業でやるのか」などをうまく聞き取りして適切な部署に繋いでくれます。

行政の一般職員では何かを営業的に聞く事ができないのでとても助かっています。アグリメディアが加わったことで、他部署と連携して繋いでいこうという意識が職員の中で生まれてきていることは大きな成果です。こうした仕組みを定着させていきたいと思っています。

 

アグリメディアとともに有機農業に力

高山村は閉塞的なところもありますから、新規就農者にうまく農地を貸し出せるような体制が不十分な一面があります。これから地域計画を作っていく過程で必然的に農業者、新規就農者、地権者が会話をする場が生まれると思います。こうしたことをきっかけとして、農地を集約して新規就農者が円滑に就農できる環境を作っていきたいと思っています。

また、中山間地であることから小集団・小区画の農地が多く、有機農業の実施にあたり、慣行農業のほ場とのゾーニングが比較的しやすいという特徴があります。有機の田んぼの田植え体験はとても人気が高く、募集してからすぐに定員に達します。

地域計画分野においても経験値のあるアグリメディアには引き続き意見をもらいながら、中山間地だからこその魅力をこれから益々発信して地域を盛り上げていきたいと思います。