農業ビジネスを展開する株式会社アグリメディア(東京都目黒区、代表取締役:諸藤貴志)は、サグリ株式会社(兵庫県丹波市、代表取締役:坪井俊輔)と共同で、「衛星データを活用した耕作放棄地等の可視化」を目的とした実証事業を開始いたしました。当社はこれらの実証データを活用し、集積農地と農業者のマッチングを加速します。
本実証の対象となるのは福島県矢吹町、昨年度より耕作放棄地解消や担い手誘致等の支援を当社が手掛けてきた自治体の一つです。
背景
矢吹町は「日本三大開拓地」の1つに数えられる、広大な水田が有名な米所です。畜産や園芸作物の生産も豊富で、特に野菜に関しては産出額が県内6位(令和3年)を誇ります。昨今、矢吹町では農業者の高齢化や農業人口の減少による、耕作放棄地の拡大が課題でした。そこで国内最大規模*の農業専門求人サイト『あぐりナビ』を運営する当社と連携し、耕作放棄地の担い手として全国の農業者誘致する事業を2023年度より実施してまいりました。
【矢吹町の広大な水田】
そこで問題となったのが、行政側の過大な業務量です。耕作放棄地の実態調査は、毎年地域の農業委員会が実施しており、総農地面積2,250ha(令和4年)を数名で現況を調査しなければならず、膨大な時間を要します。また耕作放棄地を再生する担い手が見つかった場合も、地権者の意向状況を都度把握しなければならず、通常業務に並行して行うのは非常に困難な現状でした。
これらの課題解決に向け、衛星データと農業現場をつなぐサグリの技術に可能性を感じた当社と矢吹町は、本実証連携を決定しました。
*調査元:株式会社RJCリサーチ(2023年4月)
実証内容
本実証ではGISデータと衛星画像の分析により、矢吹町内全域を対象に、農地に関する種々の情報収集を実証します。土地の傾斜量や圃場の不整形度合いに加え、耕作放棄地の可能性がある農地を強調表示・可視化することで、重点的な対応を要するエリアを自動で判別することを目指します。当社とサグリ、矢吹町とは連携して、衛星データを活用した耕作放棄地の解消、および行政業務の省力化に取り組みます。
矢吹町からのコメント
矢吹町役場 農業振興課 課長 兼 農業委員会事務局長
鈴木 辰美氏
「矢吹町は戦後の開拓事業で発展してきた町の一つであり、農業は基幹産業の一つとして、町の発展を大きく支えておりました。日本全国で農業のあり方が大きく変わってきている昨今、アグリメディア様やサグリ様のような民間企業の新たな視点を活かし、ここ矢吹町から新たな農業の発展に努めていきたいと考えます。」
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