農業ビジネスを展開するアグリメディア(目黒区、代表取締役:諸藤貴志)は、福島県矢吹町から受託しているプロジェクトの一環で同町への農業法人の誘致活動に取り組んだところ、有機野菜を生産する「旬彩ファーム」(福島県白河市)が進出に名乗りを上げ、このほど作付けを開始しました。
当社は農業求人サービス「あぐりナビ」を運営する関係で、旬彩ファームのような拡張意欲の高い農業法人と直接的なつながりを持っており、今回の誘致はこのネットワークが機能した結果といえます。今後も矢吹町と二人三脚で同町の農地と意欲ある農家・農業法人をマッチングし、当社が成長事業と位置づける「農業型街づくり」の具体化に取り組んでまいります。
当社は農地を集約して担い手に貸し出したり、農的コンテンツを集積させたりする取り組みを「農業型街づくり」と呼び、埼玉県羽生市、同吉川市、矢吹町の3か所で展開しています。エリアによっては直売所を運営したり、圃場を構えたりしていますが、3か所に共通するのは、地元自治体の農政課とコンサルティング契約を結び、意欲ある農業法人の誘致を仕事の柱に据えている点です。いずれの自治体も、担い手の高齢化に伴う遊休農地の増加に悩まされています。自治体を支援するかたちで地権者協議やエリアのゾーニング設計も当社が手掛けています。
矢吹町からは2023年11月に「白山・神田地区土地利用可能性調査業務」を受託しました。具体的には、白山・神田地区にある14haの農地(地権者約50人)に関して、慢性的な水不足から新たな農地利用方法を調査するともに、当社の農業法人網を活用した農家・農業法人の誘致が期待されました。
【今回、旬彩ファームが進出したのはこの農地の一角】
当社が取り組んだのは、全国の農業法人や農業参入を予定している企業を対象にしたオンラインセミナー「大規模農地紹介セミナー」の開催です。矢吹町などの大規模農地の独自情報を農業法人の担当者らに説明する企画で、当社のネットワークを活用して周知した結果、参加者は開催前予想を5割上回る約150人にのぼりました。面的にまとまった農地への関心は予想以上に高く、とりわけ土質のすぐれた矢吹町の農地は露地栽培の野菜・畑作農家の興味を惹きました。
旬彩ファームもそんな法人の1つです。土づくりにこだわりを持ち、玉ねぎ、にんじん、きゅうり、トマトなど100種類を超す有機JAS認証取得の野菜を生産する法人で、大手スーパーマーケットに強力な販路を持っています。福島県白河市と栃木県那須塩原市にある圃場は13haほどで、将来は全国40か所以上にオーガニック農場を展開する計画を立てています。代表は「人にも環境にもやさしい農業」を掲げて独自の有機肥料を使用するなど、有機栽培の普及に長らく取り組んできました。当社の専門人材が旬彩ファームの事業性、将来性を分析した結果、矢吹町に推薦できうる農業法人と判断しました。農家・農業法人の“目利き”も当社の重要な仕事の1つです。
当社はこうした意欲ある農業法人の成長が日本の農業界の発展に欠かせないと考えています。そのためには、現在3か所にとどまる「農業型街づくり」の拠点数を増やして農業法人の受け皿となるエリアを広げ、円滑に圃場面積を拡大できる環境を整える必要があります。また、こうした取り組みによって農業法人が成長すれば、当社の主力事業である農業求人サービス「あぐりナビ」にも好影響をもたらすとみています。
水面下では、北関東、東海、中国、九州の自治体から声がかかっており、決定し次第、順次公表してまいります。
【旬彩ファームが矢吹町内に開設した圃場】
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