PICKUP CASE STUDY山手線・鶯谷駅前の公園に「農の潤い」を。
プランター型菜園が創出する、都市部の新たな地域コミュニティ

東京都台東区 2026.01.26

JR山手線の鶯谷駅至近という場所にありながら、ホテルや飲み屋街に囲まれた周辺環境の影響もあり、認知度と利用率に課題を抱えていた「鶯谷公園」。公園の管理者である台東区役所は、地域コミュニティの醸成をきっかけにした公民連携まちづくりに取り組んでおり、鶯谷公園を起点とした鶯谷駅周辺地域の認知度向上と、地域のまちづくり資する公園の利活用を検討されていました。

そこでアグリメディアは、公園内にプランター型菜園を設置し、「農業体験」を通じて多様な世代が自然と集まる仕組みを提案。公民連携まちづくりの一環として、地域のつながりをつくり、よりよいまちづくりの機運を高めるプロジェクトが動き出しました。

公園を「通り過ぎる場所」から「集まる場所」へ

本プロジェクトでは、限られた空間でも導入可能な「プランター型菜園」を採用しています。既存の公園機能を維持しながら、地域住民に農体験を提供する場を作りました。

運営面では、公共空間利用のルールを踏まえ、誰もが参加できる「定期的な地域交流を促す農業体験スポット」として設計。アグリメディアが菜園の整備や栽培管理、イベント運営を受託し、2025年9月に「鶯谷公園アバーンファーミング」をスタートしました。

地域に配慮した菜園整備

今回のプランター型菜園は、コンテナ形式のため大規模な工事は不要ですが、公共空間としての安全性と地域の方々への配慮を最優先としました。

具体的には、近隣住民への案内掲示や挨拶回り、土壌調査や、安全確保のためのフェンス設置など、台東区役所と伴走しながら準備を徹底しました。不特定多数が利用する公園だからこそ、安心・安全に「農」に触れられる環境を整えることに注力しました。

整備完了直後には、近隣の幼稚園児を招いて野菜の種まきを実施。都心の賑わいのすぐ傍で、子供たちが土に触れ、種を植える機会を設けたことで、これまで鶯谷公園自体知らなかった、あるいは利用したことが無かった地域の方に、この公園を知っていただくきっかけとなりました。

「菜園アドバイザー」による高品質な栽培管理

種まきから収穫までの期間、野菜の栽培管理はすべてアグリメディアが担当しました。当社は全国約130か所のサポート付き貸し農園「シェア畑」を運営しており、全国に在籍する「菜園アドバイザー」の知見を活かした専門的な管理体制が強みです。

今回も菜園アドバイザーが日々の生育状況をきめ細かく見守ることで、都市部の公園という環境下でも、立派な野菜を収穫できる状態を維持しました。こうした「ハード(菜園整備)」と「ソフト(管理・運営)」をワンストップで提供できる点が、自治体様から信頼をいただく大きな要因となっています。

約70名が参加した収穫体験と交流の広がり

12月には、抽選で集まった地域住民、約70名による収穫体験会を開催しました。当日は子連れファミリーから車いす利用者まで、多くの方が参加し、自分たちの手で野菜を収穫しました。野菜にまつわるクイズ大会なども併せて行い、公園は「学び」や「体験」を通して、活気ある交流の場となりました。

参加者からは「利便性の高い都会の真ん中で、このような体験ができるのは貴重」といった声が寄せられ、多くの方が農業と触れ合うことを楽しんでいました。

未来へつなぐ、エリアブランディングの第一歩

今回の取り組みを通じて、これまでの課題であった認知度の低さを解消し、子供たちの笑顔や住民同士の会話が生まれる「地域に開かれた場所」へ変わりつつあります。

地域全体のイメージ向上や定着には継続的な取り組みが必要ですが、この菜園をきっかけに生まれたコミュニティの輪が、まちの価値を高めていく一助になると考えています。

アグリメディアは、これからも都市部の公共空間に「農」の体験を掛け合わせることで、地域課題の解決と、住民の皆様に必要とされる場所づくりをサポートしてまいります。